はじめに
センシング環境でリードスイッチを使用する場合、一般的には磁石を用いて動作させます。適切にセンサを機能させるためには、この相互作用を明確に理解することが重要です。センサは、ノーマリーオープン、ノーマリークローズ、切替、またはラッチングモードで動作する場合があります。
ノーマリーオープンモードでは、磁石をリードスイッチに近づけるとリード片が閉じます。磁石を離すとリード片は開きます。ノーマリークローズセンサでは、磁石をリードスイッチに近づけるとリード片が開き、磁石を離すとリード片は再び閉じます。ラッチングモードでは、リード片は開状態または閉状態のいずれかにあります。磁石をリードスイッチに近づけると接点状態が変化します。初期状態が開であれば接点は閉じます。磁石を離しても接点は閉のまま保持されます。再度、磁極を反転させた磁石をリードスイッチに近づけると、今度は接点が開きます。
磁石を離しても接点は開のまま保持されます。さらに磁極を反転し、再び磁石をリードスイッチに近づけると、接点は再度閉じ、磁石を離しても閉状態を保持します。このようにして、ラッチングセンサ(双安定状態センサ)となります。以下の図では、磁石を使用する際に注意すべきガイドラインを示します。磁界は三次元である点に留意してください。
永久磁石はリードスイッチを動作させる最も一般的な磁界源です。使用方法は実際の用途によって異なります。代表的な方法の一つが、前後方向の移動です。図#19を参照してください。
前後方向の移動

回転運動
回転運動(下の図#20参照);平行移動するリング磁石(図#21参照)

通過動作

磁気シールド
磁束の流れを偏向させるために磁気シールドを使用します。図#22を参照してください。

ピボット動作
軸周りのピボット(回転)動作です。図#23を参照してください。

平行移動
平行移動(図#24、図#25、図#26、図#27、図#28)および、上記の垂直(直交)方向の動作の組合せ(図#29、図#30、図#31、図#32)。
これら各アプローチを検討する前に、リードスイッチと磁石の各位置関係に伴う磁界と、そのON/OFF領域特性を理解することが重要です。実際の閉成点および開放点は、リードスイッチの種類、磁石のサイズや磁力(強さ)によって大きく変化します。まず、磁石とリードスイッチが平行なケースを考えます。図#24では、開放領域および閉成領域をx軸・y軸上に示しています。これらの領域は、x軸方向におけるリードスイッチに対する磁石の物理的位置を表します。閉成点および開放点は、y軸に対して磁石位置を固定した状態で、x軸方向に磁石を移動させた場合の位置関係として示されています。ここでは、リードスイッチが閉成し得る領域が3つ存在します。中央領域が最も強く、グラフはy軸方向距離に対する閉成点の相対的なイメージを示します。保持領域はリードスイッチのヒステリシスを示しており、リードスイッチの種類によって大きく変化します。液面制御では、保持領域が広いことが有利な場合があります。特に走行車両のように液面が常に揺動する用途では有効です。図#24に示す構成を用いると、閉成に必要なリードスイッチからの最大距離を確保できます。このアプローチは磁気効率が最も高い方法です。


また、平行移動では、磁石とスイッチが十分に近い場合、図#25に示すように、平行移動により閉成と開放が3回発生することがあります。

磁石がリードスイッチからより離れた位置を通過する場合、閉成と開放は1回ずつ発生します。平行用途における平行移動の別のアプローチを図#26に示します。ここでは、より小さい外側の磁界領域を用いて閉成点を得ています。
さらに、平行用途であっても垂直移動させる別のアプローチを図#27に示します。ここでは内側の大きい磁界領域を用いて閉成点を得ています。図#28では、垂直移動に外側の磁界領域を用いています。


平行用途で磁石を垂直移動させる別のアプローチを図#29に示します。この図はy-z軸を示している点に注意してください。複数の磁石位置に対する閉成状態と開放状態が明確に示されています。

図#30では、磁石はリードスイッチに対して垂直です。ここではx-y軸で相対的な閉成点、保持点、開放点を示しています。磁石の平行移動はx軸方向ですが、x軸からyだけオフセットしています。この場合、閉成と開放が2回発生し得ます。

図#31でも、磁石は再びリードスイッチに対して垂直です。磁石の移動は依然として平行で、x軸上およびx軸方向に沿って移動します。この場合、リードスイッチは閉成しません。

垂直(直交)移動
図#32では、磁石はリードスイッチに対して垂直です。ここではx-y軸で相対的な閉成点、保持点、開放点を示しています。磁石の移動はy軸方向ですが、y軸からxだけオフセットしています。図に示すように、この場合は閉成と開放が2回発生し得ます。

上記の閉成・開放境界を磁石配置に対して適用すると、回転運動など、複数軸で磁石を動かす場合に、さまざまな閉成・開放の構成を設定できます。また、上記のケースでは、リードスイッチ側は位置固定として扱っています。
用途要件により、磁石を固定してリードスイッチを移動させる場合でも、同様に想定される閉成および開放距離が得られます。1つの磁石に複数の磁極が存在する場合があり、その条件下では閉成点および開放点が変化します。閉成点と開放点を決定するために、実験的な確認が必要となる場合があります。
図#33では、磁石はリードスイッチに対して垂直です。ここではx-y軸を示し、磁石の実際の移動はy軸方向で、x軸に対しては固定されています。この場合、閉成は発生しません。

バイアス磁石の使用
別の磁石でリードスイッチにバイアスを与えることで、ノーマリークローズ動作が可能になります。磁石/リードスイッチアセンブリの近傍に、逆極性の別磁石を近づけると接点が開きます。図#34を参照してください。

また、バイアス磁石を使用すると、リードスイッチを保持領域(ヒステリシス領域)で動作させられるため、ラッチングセンサを構成できます(図#35参照)。この場合、バイアス磁石の正確な配置に十分注意が必要で、動作磁石は特定の領域内に動きを制限する必要があります。双安定状態から別の双安定状態へ切り替えるには、動作磁石の極性または向きを反転させる必要があります。

Standex Detectは、ノーマリーオープン状態またはノーマリークローズ状態のいずれでも動作可能なブリッジングセンサを開発しました。強磁性体材料(メタルドア等)の板をセンサに近づけるとリードスイッチが閉じ、引き離すと接点が開きます(図#36)。ブリッジセンサの動作に外部磁石は不要です(MK02 Series参照)。
