リードスイッチとホール効果センサーはいずれも磁界に依存しているけど、対応するニーズはそれぞれ異なる。電力効率、…

「用途別に重要な特長を備えた、2つの多様な磁気センシングソリューション」
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はじめに
新しい電力使用基準の影響で、近年、リードスイッチの需要が大きく高まっている。リードスイッチ技術は、受動状態では電力をまったく消費しないため、ホール効果センサーに代わる磁気センシングの選択肢として適している。特に、低消費電力が重要な用途で有効だ。

2つの多様な磁気センシングソリューション;1つの重要な違い
リード技術とホール効果技術は、設計コンセプトが異なる。どちらのスイッチも外部磁界を使って動作するが、ホール効果は受動状態でも動作して出力信号を生成するために電気回路が必要になる。一方、リードスイッチは電力を消費せず、磁界が存在する場合にのみ動作する。つまり、両者の磁気センシング技術の重要な違いの1つは、電力効率だ。

電力効率が磁気センシング技術を変える
「ドイツのエネルギー転換と、エネルギー効率を優先する必要性を背景に、リードスイッチセンサーの需要が大きく増えている」と、製品マネージャー(Magnetic Position Sensors EMEA)のMartin Reiznerは言う。
Reiznerは、この傾向がすぐに終わるとは見ていない。「ますます多くのセンサーメーカーが、消費電力を削減するためにリード技術を選んでいる」。家庭用電化製品やバッテリー駆動機器が、リードスイッチ技術への移行を最も大きく進めている。言い換えると、リードスイッチは低消費電力設計における新たな“選ばれる”磁気センシング技術になりつつある。
両方のセンシング技術が特定用途に対応
現実として「両方のセンシング技術には、それぞれ固有の用途がある」とReiznerは付け加える。彼は、ホール効果センサーのほうが1 kHzを超える高速検出に適していると考えている。これは、リードスイッチが物理的な動作限界に達する領域だ。逆に、Reiznerは、流量計のように1 kHz未満のスイッチングにはリードスイッチを推奨している。
ヒステリシスが水流検出を改善する
ヒステリシスとは、スイッチの開点と閉点の差で、リード技術ならではの特性だ。特定用途でスイッチのヒステリシスを定義することで、リードスイッチはホール効果センサーに対してもう1つの優位性を得られる。以下の例は、水流量計でヒステリシスがどのように使われるかを説明している。
- 例:リードスイッチの接点が、磁石から5 mmの事前定義された動作点(プルイン)で閉じるとする。そして接点は7 mmで開く、または復帰(ドロップアウト)する。このときスイッチのヒステリシスは2 mmになる。つまり、5 mm / 7 mm = 0.71 x 100 % = 71 % となり、スイッチは復帰点の71%で作動することを意味する

水流におけるスイッチヒステリシスの利用
パドルホイール付きの水流量計は、ヒステリシス値を設定できる例の1つだ。ランダムな水の波や振動によって、パドルホイールがわずかに動くことがある。その結果、パドルの動きがセンサーを作動させ、誤った水流検出を引き起こす可能性がある。スイッチのヒステリシスを定義しておけば、水流が設定された速度に達するまでセンサーが作動しないようにできる。結論として、誤った水流読み取りを防げるのはリードスイッチのヒステリシスだけだ。逆に、ホール効果センサーは水の動きがあれば作動/非作動が切り替わる。

世界最小のリードスイッチ
リードスイッチはシンプルな機械要素で構成されており、ホール効果センサーと比べてコスト効率よく製造できる。ホールセンサーは製造がはるかに難しい。追加の外部スイッチや増幅回路が必要になるほか、温度安定性、短絡保護、消費電力などの考慮も必要だ。
ただし小型化の観点では、ホール効果センサーがリードセンサーより優位だ。それでも、Standex Detectは全長4 mm弱という世界最小のリードスイッチを現在製造している。その結果、コンパクトなリードスイッチセンサー設計は、ミニチュアのホール効果センサーと競合できるようになった。
過酷環境でも発揮される磁気センサーの信頼性
リードスイッチ技術は、過酷な環境でも信頼性高く動作する。気密封止されたガラス管が、リードスイッチを環境から保護する。つまり、ほこり、油、水、化学物質、腐食はセンサーの動作に影響しない。さらに、リードスイッチは-65°C〜+150°Cという極端な高温/低温でも安定して動作する。対照的に、ホール効果センサーの動作範囲は-55°C〜+125°Cとより狭い。
磁気アイソレーション
リードスイッチは、静電気放電(ESD)に対する保護を必要としない。そのため、リードスイッチは近くのシステム電子機器に磁気的な干渉を与えない。逆に、ホール効果センサーは一定の電源供給を使って出力信号を発するため、磁気アイソレーションが必要だ。さらに、電流漏れを防ぐための特別なESD保護も必要になる。
接触抵抗
最後に、リードスイッチの絶縁抵抗は10^15オームを超え、ホール効果のそれを上回る。リードスイッチでも低フェムトアンペア領域の漏れ電流は発生するが、値が非常に小さいため医療機器には適用されない。要するに、シンプルなリードスイッチは微小電圧を測定でき、接触抵抗は低い50 mΩで動作する。これはホール効果では達成しにくい水準だ。
さらに、リードスイッチは設計上、広い動作範囲を備えている。ナノボルト(nV)からキロボルト(kV)まで、フェムトアンペアからアンペアまで、そして最大10 GHzまでのスイッチング負荷に対応する。最小のリードスイッチであっても、ESD保護なしで最大1,000ボルトを絶縁できる。
まとめ
まとめると、どちらのスイッチタイプにも、センシング用途に応じた固有の使いどころがある。リードスイッチは、サイズ、感度、ヒステリシスの面で多様であり、いずれも用途に合わせて調整できる。一方でホールセンサーは弱点を克服するためにプログラム可能だが、リードスイッチのほうがより汎用性が高く、電力効率にも優れている。
ホール効果センサーは、1 kHzを超える高速RPMスイッチングで良好に機能する。さらに、ホールはスイッチヒステリシスがないため、信号の再現性が高い。ただし、ホールスイッチの寿命は5億サイクル。一方、リードスイッチは5V負荷の条件下で数十億サイクルのスイッチングが可能だ。
Standex Detectは磁気センシングのエキスパートだ。複雑なセンシングニーズに対応するカスタム設計を得意としている。あなたの用途に最適なセンサーを提案するので、今すぐエンジニアに問い合わせてね。
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